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Moose Hill「“Desert House”Release Live」~雪に想ったこと

category: live / performance  

Moose Hill「“Desert House” Release Live」に行ってきました。
気ン持っちいーーーい!ライブでした。
アンサンブルの醍醐味ってんでしょうか。
心地よかった。
覚え書き風にメモしてみます。

kumo1

伊藤ゴローさん(Moose Hill)の前のアルバム「wolf song」“狼の唄”での狼は、
群れで暮らす狼ではなく、一匹狼のイメージでした。
(moose(ヘラジカ)なのに、なぜか狼の唄。)
つまり、モノローグ。
実際には、ガムランっぽいサンプル音とか打楽器系も絡んでるですが、
ほとんどギター1本での演奏。
そのつぶやき、ためいきにも似た小品群の響きは、洗練されたお洒落感を漂わせつつ、
冬の朝の清澄な空気を思わせる感じで好きでした。
ライブでは、そのモノローグに誰かの声が加わっていく。
モノローグからダイアローグへ。
ピアノの中島ノブユキさんとの合作という「ダイアローグなんとか」(はっきりした曲名を忘れました)は、
2人の即興の中で自然に作られた曲なんじゃないかと思わされました。
ちょうど、対話というか、2人のおしゃべりのような。
伊藤ゴローさんは、naomi&goroのように、誰かとコラボレーションするかたちの活動の方が多いんですよね。
そうしたダイアローグに、またいくつもの声が加わっていく。
たとえば「book of days」は、アルバム「wolf song」ではほとんどギター1本で演じられる曲です。
そのシンプルなリフの繰り返しに、やがてアイリッシュ・ハープがからみ、チェロが厚みを加え、バイオリンが高々と奏でられて溶け合うわけです。
アルバムで聴いたよりずっと、あの澄んだ空気が広がっていく感じ。
ボレロにも似た高揚感を伴いつつ。
(当日、会場にいた鈴木慶一さんがブログで「ミニマル・ラウンジ感」と記していたのは、こんな感じなのでしょうか。
“ミニマル・ミュージック”ってのが、いまいちわからないんですが。)
文化人類学の川田順造さんは、語りについての論考で、モノローグ(独白)、ダイアローグ(対話)の他に「シンローグ」というようなかたちを考えていました(「口頭伝承論」ちくま文庫)。
昔語りをするときに、その場にいる人々のあいづちや即興の語りの相互作用の影響を受けて、語りそのものも変わってくるというのです。
モノローグからダイアローグへ、そしてダイアローグからシンローグへ。
メロディが重ねられる音の厚みのおもしろさもあったんですが、そうした“場”による化学変化、ライブのおもしろさがありましたねー。
中には、「metro go round」(アルバム「Desert House」所収)など、打ち込みに生音を重ねていくスタイルもありました。
このテのスタイルは、得てして音はキレイなんだけど、ライブだとつまらない。が、ここでは、生のライブ感を楽しめた気がします。

で、「grass man」
こいつが、いい。
いやー、よかったです。
伊藤ゴローさんが間のMCで、「演奏してる側は気持ちよかったんですが、そちら(客側)はどうでしょうか」みたいなことをボソボソ言ってましたが、
いや、こちら側もじゅうぶん、気持ちよかったです。
汽車の汽笛がSE的に使われていて、疾走する快感、加速していく爽快さがある曲。
そのマックスで、ふわあーっと体が浮き上がるような。
あれは何て言うのでしょう、グルーヴ感とでも呼ぶんでしょうか、あの音の感覚は。
演奏者全員の呼吸が客席を巻き込んで、んんんんん……と、うねるような感じ。
あれは生じゃないと味わえないのかもしれません。
ライブでは、舞台のバック・スクリーンに映像が流され、演奏を盛り立てて、たとえば「metro go round」の時は、パリのメトロで地下鉄が走る風景がメリーゴーランドのように流れて効果的でした。
が、しかし、この「grass man」の時は、抽象的な映像が固定されたまま。
躍動感ある画が欲しい気もしたのですが、ここは、映像であれこれ演出するより、音で勝負というところだったのでしょうか?
うん、いや、確かに、演奏だけで勝負アリでした。

そして、このシンローグの輪に、知世さんのヴォーカルが加わったわけです。

雲2

音楽では盛り上がっていたものの、舞台と客席は落ち着いて静かな感じ。
伊藤ゴローさんは、これほど大人数(全部で8、9人だったでしょうか)での演奏は馴れてないそうで、MCもそれほどには馴れていないようでした。
「自分では緊張していないのですが」と繰り返していたものの、傍(はた)からみると、しどろもどろ。
「がんばって」という声援が客席から飛び、MCが百戦錬磨というわけではない知世さんが助け舟を出そうとしていたくらいでした。
が、その訥々さが微笑ましくもありました。
ちょっと、なごみ系。
無口な友人の部屋へ遊びに行って、ぼそりぼそりと話しながらも、とびっきりご機嫌のギターを聴かせてもらうみたいな、リラックス感があるような。
そんな中で、知世さんも、実際にはキンチョーしていたのかもしれませんが、外見はそれほどキンチョーはしていないように見えました。
特に後半は、のびのび。
知世さんは、ライブでは特に、アンプラグドな演奏とめっちゃ相性がいいんですよねえ。

ほとんどアルバムといっしょなアレンジの「Soup song」
が、クラシカルな厚みのある軽快さは、生の迫力。

「空と糸」は、もともとチェロをフィーチャーしたアレンジでその音色が印象的だったのですが、やっぱり、チェロ、バイオリン、ギター、ハープ(アイリッシュ)というアンサンブルにはぴったり。
いいんですよねえ、チェロ。
で、途中のCメロっていうんでしょうか、曲調が変わる「I will never be afraid to fly……」のところ──低音で滑走路を走り、リズムを刻むようなところを、知世さんは実にていねいにかみしめるように歌っていたのが印象的でした。
だから、だんだん盛り上がり、再び離陸し滑空する「Fly away, fly away……」のサビの気持ちいいこと、気持ちいいこと。
裏声の伸びもよかったあー。
惜しむらくは、最後の「back home」が、それほど長くはのばさず、言い切るいつもの感じだったのですが、もう少し呼吸をためて長くのばしてのフェイドアウトだったら、余韻が残るかなあと、ちょっと思ったです。

「シンシア」は、ボサノヴァ調なリズム。
が、リズムに流されることなく、しっとり、じんわり、知世節(と言っていいかわかりませんが)を聴かせてくれました。
目をすうっと閉じてのサビの熱唱も情感あったなあ。
そうそう、クラリネット(たぶんソプラノ・クラリネット?)がよくって、「え? クラリネットってこんなに暖かな音色だったのか」と思わされました。

そして「ロマンス」
これは、伊藤ゴローさんいわくの「ザクザク」というリズムのアレンジ。
マーチング風と言ったらいいのでしょうか、えーと、ビートルズの「エリナ・リグビー」で弦楽器が音を刻む感じと言ったらいいのでしょうか。そんなリズムも「ロマンス」は似合ってました。
鯛(タイ)は、調理の仕方が変わっても鯛(タイ)ということでしょうか。
もともとは「a day of my life」所収のアレンジのようなバラードですしね。
これには、ホルンみたいなユーフォニアムという金管楽器がしっかりアクセントをきかせていて、思わず「Blue orangeツアー」ん時のスヴェンさんを思い出してしまいました。
知世さんが途中でタンバリンを手に取ったのはこの曲でしたっけ(←??)。

そして、そして、「ノスタルジア」
これって、改めて気づかされたんですが、3拍子なんですね。
エドツワキさん作の馬のシルエットの作品が、アニメーションとなって、バックスクリーンを駆ける。駆ける。
そのしなやかに疾駆する画が、リズムにぴったり。
大地に根付いた農耕民族である多くの日本人の基本は4拍子で、馬に揺られたりする牧畜騎馬民族の基本は3拍子という説を思い出してしまいました。
そんなリズムの揺らぎに体をまかせながら、走る風を感じながら、ここで知世さんの声はいよいよ張りと艶を得る。
力強く。
知世さんのこの歌唱は、今夜のいちばんの収穫ではなかったでしょうか。

というわけで、アンコールには、再びインストで「snowy land」
アルバム「wolf song」所収のアレンジよりも進化形のアンサンブルで、静かに豊かに聴かせてくれました。
そういえば今日は、予報から傘マークが消えて、さすが“晴れ女”の知世さんと思っていたら、思いがけなく関東地方に「初雪」という天からのプレゼントがちらついた日でした。
「snowy」って、「雪におおわれた」といった意味の一方で、「雪のように清く澄んだ」という意味もあるんだそうですね。
そんな清澄な空気に洗われたような余韻と心地よい温もりは、帰り道、原宿の雑踏にモミクチャにされても、なかなか胸から消え去りませんでした。

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2007_01_22

Comments

 

こんばんわ^^初めましてnonoと申します。
ご訪問ありがとうございます。嬉しいです!!
ブログ更新お互い頑張りましょうね(・ω・↑↑)
でわ、失礼しました。
nono  URL   2007-01-25 19:28  

 

コメントありがとうございます!!
もうなんか嬉しい限りです(喜
でわ、また見に来ます^^
nono  URL   2007-01-26 20:40  

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