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アルバム「撫子純情」について感想など

category: music  

 撫子純情
1984年/CBSソニー
エグゼクティヴ・プロデューサー:角川春樹、サウンド・プロデューサー:坂本龍一
スーパーバイザー:酒井政利、ディレクター:吉田格・石川光

弾むような、踊るような、リズムを強調した打ち込み主体のアレンジは、
当時YMOを散開させて1年ほどの坂本龍一さん。
その龍一さんがプロデューサーで、くっきりと“坂本龍一”色がわかる作品となっているが、
山口百恵さんを手がけたりなどで知られるプロデューサー酒井正利さんを
スーパーバイザーとして迎えていることも忘れてはならないだろう。

松任谷由実さんは当時、知世さんのことを繊細な「4Hの鉛筆のよう」と評していた。
が、ここでは、5Bの明るい色鉛筆のように、いろいろな色の表情を見せて、元気に弾けている。
まあ、どちらも知世さんの顔であるかもしれない。

 01. 星空の円形劇場(アンフィシアター)

円形劇場の少女……というと、どうしてもミヒャエル・エンデの童話「モモ」を思い出してしまう。
モモは、古代の円形劇場の廃虚に住みついた孤児。
人々の話を“聞く”――対話をすることで、みんなのこころを癒す不思議な少女だった。
作者・大貫妙子さんの頭の片隅に、「モモ」のイメージがあったのではないか。
……というのは、筆者の勝手な空想にすぎない。

星空の下、円形劇場の廃虚のステージで、「ダンスが仕上がるまで」くじけずに踊り続ける少女は、
大貫さんにとっての、当時の知世さんのイメージであり、そしてまたファンにとってのイメージでもあっただろう。
それは、ミュージカルや映画、ステージのためにレッスンに励んでいた当時の知世さんと重なるわけだが、
2歳の頃から知世さんが送っていたバレエの日々とも重なり合う。
そしてそれは、自分の時間を大切にすることを知っていたモモのイメージと重なるような気がする……。
というのは、これはやっぱり筆者の勝手な空想にすぎない。

 02. Happy, yes

ムーンライダースのかしぶち哲郎さんが詩曲を提供。詞も曲もかわいい。
かしぶち哲郎さんは、いわゆる“アイドル”たちに、ロマンチックな楽曲を提供していたりする。

 03. もっと素直に……

君はどこでそんなこと覚えてきたの? 恋はハートがなくちゃダメ!
……とたしなめるような詞は、年上のお姉さんのようだが、
子供たちの無邪気な笑い声が聞こえてくるアレンジと、知世さんの歌にはまだ幼さがあり、
ちょっと背伸びをしながらも、男の子にストレートに想いを寄せる元気な少女像が浮かび上がってくる。

 04. リセエンヌ

「リセエンヌ」は、フランス語で“女学生”の意味。
学校生活の風景と、17歳を迎えるこころの風景をスケッチした知世さんの詩を康珍化さんが補作。
それを、坂本龍一さんは、コード進行も難しそうな、現代音楽っぽいような、
あるいはジャジーな、アダルトなトランペットの響きが似合うような、
そんな複雑な、しかし雰囲気のある曲に仕上げている。

その世界は、どこかけだるそうで、また逆に、どこか冴えわたるような緊張感もあり、繊細。
外からは不可思議に思える、少女の浮遊するような内的な時間の流れ、生理的な感覚があるような気がする。

 05. クララ気分

初めての恋にとまどうデビュー作(「悲しいくらいほんとの話」)を書いた来生えつこさんが、
ここでは、いかにも“女学生”らしい世界を描いている。
「アンニュイ」「イロニー」といった詞の言葉が、いかにも、らしくていい。

 07. 天国にいちばん近い島

自他ともに認める知世さんファンの漫画家とり・みきさんは、当時、
「原田知世はアニマである」
と言っていた。
精神分析によれば、男性にしろ、女性にしろ、その心の無意識の中に男性的な心と女性的な心をもっている。
その女性的な心のイメージがアニマ。
知世さんに、永遠の女性像を勝手に投影しちゃったりするそんなムチャに、
ふと心当たりのあるファンもいるかもしれない(筆者がそうでした)。
しかし、アニマの否定的な面があらわれると、のみこまれて、現実から逃避し、
かなうことのない願望になすすべなく時を費やしたりすることになる。
つまり、夜中、知世さんのビデオを繰り返し見たりして、勉強も課題も手につかなくなったりするアレです。

けれど知世さんはこう歌うのだった。
――「いつもわたしのことだけずっと想っててくれなくていいの
自分の夢にすぐムキになる そんなとこ好きだから とても」。

そう、そして知世さんは、ラジオなどの場では、たえず、
映画のイメージではない等身大のありのままの自分を語ろうとし、
ファンに対しても、お互いに自分の夢をもった対等の存在として、誠実に向き合おうとしていた。
アニマでもアイドルでもなく、一人の女性として。
その姿勢は今も変わらないのだろう。

その魅惑的な歌声で男たちを舟ごと迷わせ、水に沈める伝説の妖女、ローレライは、
アニマのマイナスなイメージの代表例だ。
が、「心の海わたる舟が迷わないように」テレパシーであなたを導いてあげると歌う知世さんは、その逆。
やはり、プラスの意味でのアニマにふさわしいにちがいない。

 08. 愛してる

曲のタイトルは「愛してる」。
だけど、詞では、その「愛してる」を自然に言えない。
でも、ホントはすなおに言いたい、という心のうちをつづっている。
しかし、たとえ言葉にならなくても、そのまなざし一つが、
百万語の言葉以上に、「愛の言葉ぜんぶ あなたにあげる」と語っていたりするのかもしれない。

この曲も、「天国にいちばん…」のメロディも、南国のイメージの曲調というわけではないのだが、
弦の調べとアレンジが、どこか南の島を思わせる。








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2016_04_12

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