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えーと、いわゆる、なんていうか、O3(オースリー)な日々。

原田知世さん(=O3《オースリー》)にまつわる事どもを、 ミーハーなファンが書き散らかしています。

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「半分、青い。」(1)──頭から心をワシづかみされてしまった

ドラマ「半分、青い。」。
第1回目の冒頭から惹きつけられてしまいました。

主人公の鈴愛(すずめ)が学校から帰宅しようとすると雨が降っている。
傘を持ってきていなかったのだろう彼女は、雨を前に立ちつくす。
すると不意に少年が傘をさし出し、自分は濡れながら駆け去っていく。
その後ろ姿に、鈴愛が「おーい、律、ありがとう」と呼びかけると、
律と呼ばれたその少年は振り返り、口元にニッと小さな微笑みを返し、
友だちの傘に入っていく。
──少女マンガにいかにもありそうな場面です。
鈴愛と、その少年、律との恋愛物語を予感させるイントロダクション。

ところがその傘は、さすのに支障はないけれど、骨がちょっと折れています。
ここで、鈴愛のナレーション。
──たとえば、こんな傘を、不格好と思うか、
それとも、変なかたちで、ちょっとおもしろい。と思うかは、その人次第……。

さらにナレーションが言います。
──たとえば、わたし。
小学校のときのおたふく風邪がもとで、左の耳が聞こえない。
けれど、それを悲しいと思うか、おもしろい。と思うかは、その人次第、
…というのです。
そして鈴愛自身は後者の方で、
「ちょっとこれ、おもしろい、と思うんだ」と独白します。

そうして歩いているうちに、雨がやみ、雲間から青空がのぞけてきて、
そのまぶしいような空の青さに鈴愛が手をかざす──。

と、そこで、オープニングのタイトルバック。
星野源さんが歌う主題歌「アイデア」が流れてきます。

この2分にも満たない短いシーンの間に、
これから半年間にわたるドラマの多くのことが語られているのでしょう。
そして主人公・鈴愛の生き方というか、視点が明確にされます。

同じ障害でも、それをハンデと思うか、個性と思うか?
いろいろな災難や現実の壁にぶつかったとして、それを不幸と思って意気消沈するか、
それとも「ちょっと、おもしろい」と思って、一歩を前に踏み出すか?
この世界を、ろくでもない、つまらない世界だと思うか、
それともちょっと一工夫の「アイデア」を加えて見方を変え、おもしろがるか?
──それは、その人次第ということなのでしょう。


第4話、教室でこけた小学生の鈴愛が天井のシミに気づいて、
般若の顔に見えるといって、おもしろがる場面がありました。
子どもの頃は、シミだの雲だのを何かに想像する「みなし遊び」をよくやりますよね。

オープニングでは、そのぽっかり浮かぶ雲が登場して、鈴愛がみなし遊びをします。
窓ガラス越しに映った雲を、ゾウやイヌやアヒルに見立てる。
そして窓ガラスに絵筆で、目や鼻やくちばしといったイタズラ描きの補助線を描いて、
雲をアート作品にして遊びます。

同じように、サランラップやガラス板にちょっとした補助的なイタズラ描きを描くことで、
くずれて失敗した目玉焼きが、ニワトリになり、
真っ黒に焦げて失敗したトーストに、宇宙が広がります。
プチトマトがテントウ虫になり、電線が楽譜となってメロディが広がる。
透明なビニール傘に描かれた鳥は、傘から飛び出すように大空を駆けていきます。
ちょっとしたアイデアを加えたガラス越しにながめることで、
見慣れていた日常の世界が、魅力にあふれたワンダーランドに変わるんですね。

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作家のディケンズが、ロンドンのいつもの喫茶店にぶらり立ち寄ったそうです。
いつもと変わらぬ喫茶店。
いつも見慣れているガラス扉。
ところが、その扉を見たとき、ディケンズは、ハッと驚いた。
扉には、「MOOREEFFOC」という意味不明の文字が書かれていたというんです。
外国語? 何かの呪文?
まったく意味がわからない。
いつもの喫茶店のはずなのに、まるで異界へ迷い込んでしまったように思えてくる。

が、何のことはない、それはガラス扉の看板を内側からながめただけのことでした。
「COFFEE ROOM」(コーヒー・ルーム)という文字を、逆から見れば
「MOOREEFFOC」(ムーリーフォック)となる。(ただし鏡文字ですが。)

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そこでディケンズは考えたそうです。
日頃見慣れて陳腐に見える日常の世界も、たとえば裏側からながめてみたときに、
新鮮な驚きがあり、不思議があり、発見がある。
そんな働きが、文学にあるのではないかというのです。

チェスタトンが「チャールズ・ディケンズ伝」で取り上げているエピソードだそうで、
そんな働きが、ファンタジーにあるのではないかと、
「指輪物語」などで知られる作家J・R・R・トールキンが記しています
(杉山洋子訳「妖精物語の国へ」ちくま文庫)。

「ムーリーフォック」の働きは、文学やファンタジーに限らないのだと思います。
TVドラマにも、きっとそんな働きがある。
脚本の北川悦吏子さんは、毎朝ドラマをながめる私たちの日常に、ちょっとだけ、
そんな「ムーリーフォック」の魔法をかけようとしているように思われます。
つらく、つまらなかったりする日常も、ちょっと見方を変えれば、おもしろくなる。
もちろん、「その人次第」ですが。

パタパタと商店街を元気に駆け抜ける鈴愛は、どうやらバイタリティーに満ちていて、
けれど「やってまった」を連発する、
失敗してコケることも多いキャラクターであるようです。
そして、死別の悲しみに沈む祖父を元気づけようと、
あの世とこの世との糸電話を思いついたりするような、思いやりとアイデアを持ってる。
歳をとってもたぶん半分青さを残しているような……、
自分の聴覚障害をおもしろがれる……、
そんな鈴愛が、私たちの日常にこれからどんな風を運んでくれるか。

──毎朝が、楽しみになりました。

huusen-g.gif 

北川悦吏子さんは、知世さんとプライベートでもおしゃべりするそうで、
「運命に、似た恋」のキャラクター「カスミ」は、たぶん当て書きで、
知世さんの実像に近いのではないかと思われる箇所が多々ありました。

こちらのドラマでの「和子(わこ)」というネーミングは、
かつて「時かけ」で「吉山和子(かずこ)」を演じた知世さんを思っての遊びでしょう。
出産直前でも、のほほんと、カセットが埋め込まれた死体の推理小説を読んでる。
実は芯が強く、いろいろ見透していそうだけれど、穏やかまったりテンポで、
何よりも、コミカル。
実像とは違うでしょうが、知世さんにピッタリな役だと思います。
北川悦吏子さん、よくぞ書いてくれました!──という感じです。
いやあー、毎朝が楽しみになりました(リピート)。





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  1. 2018/04/06(金) 07:50:00|
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